2017年6月24日土曜日

台湾の土木構造物を調べてみた!part1 台湾高鐵編

最近投稿し過ぎで名前の前に付けることがもう思いつかなくなってしまった渡辺です。

今回は「台湾の土木構造物を調べてみた!」シリーズの第一弾は「台湾高鐵」です。

写真はWikipediaより
そう。みんな大好き新幹線の台湾版です。まあ日本の新幹線とはちょっと違うんですがね。それは後で書きます。正式名称は臺灣高速鐵路というらしいです。いちいち変換するのがめんどくさいし、読みづらいので今後は略称の台湾高鐵と記載します。

台湾高鐵は2007年に開業した台北高雄間の345kmを最高時速300km/hで最速で1時間半で走行する高速鉄道です。
台湾では日本でいう国鉄やJRのような台鐵(台湾鐵路)が台湾のほとんどの路線を占めているが、台湾高鐵は民間の鉄道会社が運営しています。民間の鉄道会社が高速鉄道を運営するのは世界的に珍しいらしいです。

新幹線が海外に輸出されたのはこれが初めてでした。
台湾新幹線は当初フランスを始めとしたヨーロッパ連合による高速鉄道が導入される予定であったが後に日本の新幹線が逆転受注に成功しました。その背景には意外な事実が真実が隠されています。

台湾高鐵が建設される以前の台湾は台湾最大の都市で時の通り台湾の北部に位置する台北と台湾第2の都市で南部に位置する高雄間ではメガロポリスを形成していて人の移動や物流が大幅に増大しこの間にある2本の高速道路をもってしても渋滞が続き、飽和状態になっていました。
そこで台湾当局が台北高雄間を結ぶ高速鉄道の建設を決定します。そこに新幹線を売り込む日本連合とTGVを売り込むヨーロッパ連合が参加しました。

フランス国鉄のTGVは当時既に営業最高時速300km/hであったのに対し、日本の新幹線は1997年に登場する超カッコいい500系が登場するまでは1992年に「のぞみ」と共に登場した300系の営業最高時速270km/hが最速でした。
フランスは商業ベースよりも政治外交レベルで積極的に動き、日本の新幹線と比べTGV方式がいかに優れているかを押し出していたそうです。
ということでそのまま国際入札に日本連合はヨーロッパ連合に負けてしまいます。。。

TGV:動力集中方式→加速減速性能に劣る、騒音が大きい
    一編成あたり516席
       1998年にICE脱線事故が起き98人が死亡

新幹線:動力分散方式→加速減速性能に勝る、騒音が小さい
     一編成あたり1323席
     列車事故による死亡者0人
     地震に強い
     車両の気密性が高い為、トンネルの断面積を小さくすることができる

↑このブログで図を作る方法が分からなかったので少し見にくくなってしまいました。。
新幹線とTGVを比較してみました。少し日本目線で比較してしまっているような気がしますが。ICEの脱線事故はフランスではなくドイツです。ちなみにお隣韓国ではフランスのTGV方式を採用してしまったことにより加速がとっても遅く、駅間が短く乗車人員が多いアジアではTGV方式は向いていないと考えられます。

またこれらに加え、1999年9月に発生した台湾大地震で日本の救助隊がいち早く台湾入りし救援活動を行ったこともあり、12月に日本側に逆転受注することを発表しました。よかったです。

台湾高鐵の車両の700T型は日本の東海道山陽新幹線で使われている700系(もう少しで東海道新幹線からは消えてしまうと思われます)をベースに最高時速300km/hの営業運転が可能なように設計されている。(700系の最高営業時速は285km/h)

台湾高鐵がヨーロッパで採用している当時最新の安全基準を基に車両の設計を求めてきたりしてくるなど苦労があった中で、見た目は700系だが中身は台湾使用の車両ができました。さすが日本の技術者です。

これを書いていたらますます台湾高鐵に乗りたくなってきてしまいました。
前から乗りたくてわざわざ台湾高鐵に乗る計画にしてくださいと遠藤先輩にお願いしたくらいですからね笑

新幹線海を渡る~その夢に賭ける男たち~という番組を参考に書いたので興味がある方はYouTubeなどで検索してみてください。

2 件のコメント:

やきそばばばーん さんのコメント...

TGVとかただの直線番長で実用性皆無ですからね。加速遅くて、コーナー遅くて、居住性悪いとか本当に誰得なんでしょうかね…ICEも現行のICE3は動力分散方式だし、イギリスで高い評価を受けているジャベリンこと395系に至っては日立製なので日本の新幹線の方向性は間違ってなかったと思います。速さなんてリニアに任せればいいし。
動力方式よりも車体傾斜装置とかの話の方がワンゲル的にも面白いと思いますよ。

渡辺 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
個人的にはドイツ国鉄から見れば失敗作となったICE-TDが興味深いです。途中機動車ごと船に乗り、ドイツのハンブルクからデンマークのコペンハーゲンを結ぶ特急列車にはいつか乗ってみたいものです。(海峡にトンネルを作る計画があるらしく、トンネルができると乗れなくなってしまいます)
ワンゲルは動力分散方式で合宿を行ってます(笑)
車体傾斜装置はN700系のことを多少知っているだけで、詳しくないので無理です。。。