2015年11月10日火曜日

平成27年度下半期の活動について

こんにちは。元主将になりました。渡邉です。


今回は平成27年度の下半期の活動に主将としてどのように考えて取り組んだのか話たいと思います。

私は入部してから代をとるまで浅沼前主将、鳥居元主将の後ろ姿を見てきました。

浅沼OBは発想の柔軟さやセンスに優れた人だったと思っています。九州の夏合宿では自転車を使って山と山を繋げるというアイディアは正直、すごい発想だなと思います。

また、鳥居OBはとにかくパワフルで困難なことに対して自ら先頭に立って突っ込んでいくという感じの方でした。

私には浅沼OBのようなセンスもなければ、鳥居OBのようなパワフルさもありません。二人を真似るようなことは到底できないと考えていました。

なので2年の冬前あたりから知識を増やそうと努力しました。日本山岳会の医療・気象の講習や登山研修所の研修に参加したりして。

特に登山研修に参加したことは大きかったと思います。

先輩方から教わった登山道具の取り扱いについてかなり駄目だしを食らったのが大きかったですね(笑)
人の言われたとおりにただやるだけではダメなんだなと思いました。

講師の方に「伝統とは今あるものを次に伝えるのではなく、今あるものをさらに良くして次の世代に継承することだ。」と言われ感銘を受けました。

更に去年の秋から登山用品店でバイトを始めたことも大きな影響があったなと感じています。

お店で多くの物や人と触れ合うことによって山に対する理解が深まったと実感しています。

特に道具に関するこだわりはかなり強くなりました。登山道具は命を守るための道具であり、過酷な環境を快適に過ごすためのものであるという認識でいます。そのため、機能性や素材、デザインなどには徹底してこだわるようにしています。戸口がユニフォームについて色々頑張っているのに私自身が非協力的だったのはユニフォームをつくることに意義を見出せないということがあります。

帰属意識とかそういうのは外観を揃えるもので生まれるものではないと思うし、見た目ではなく活動の中身に対して誇りを持って欲しいと思います。

さらに今年の2月~5月にかけて色々なことがあり、自分自身やワンゲルの活動を見つ直す機会に恵まれたことは大きいと思います。結果として活動に対する信念というか考えを固めることができました。


平成27年度の下半期の活動をするに当って一番力を入れたのは下級生が活動を楽しめるようにすることでした。割りとこれに関しては批判的な考えのOBの方も多いと思います。自分が1年生のころはとにかく理不尽でっていう感じに…
ワンゲルの活動は体育会らしくトップダウンで活動を行っていて、最上級生が活動を決める権限を持っています。だからこそ最上級生は下級生のことを考えて活動に取り組まなければならないと思います。級生に優しくすればいいということではありません。下級生の立場から見ても魅力的な活動をしなければならない。その責任が上級生にはあるということを私は言いたい。

とは言っても、人それぞれ価値観は違います。山に関して人はどのように思うのか?それを考える上で参考になったのが深田久弥の日本百名山です。読んで思ったのは、やはり自分が面白いと思う活動をするのが一番ということでしたけど(笑)

なので今期の活動は北アルプスを舞台にした活動が多かったと思います。
なぜかというと私自身が初めて登山が楽しいと思えたのが北アルプスでの活動だったからです。

新人修練合宿で燕岳~常念岳~蝶ヶ岳の縦走を行ったのは1年生にとっては特にツラい新人修練合宿で頑張って良かったと思える合宿にしたいと思ったからです。運良く天候にも恵まれ燕岳からは北アルプスの山々が一望できたのは非常に良かったと思います。また梅雨の時期の北アルプスという例年の新人修練合宿よりも厳しい環境にさらされることによって山の厳しさというものも分かってもらえたのではないでしょうか?


次に夏合宿で向き合ったものは法政ワンゲルの伝統というものでした。

あくまで私個人の考えですが『伝統とは今あるものをより良くして次の世代に受け渡すこと』

今までやってきたことの良さというものは受け継ぎながら悪いところは改善していかねばならない。

夏合宿という長期の合宿を行う上で一番優先で考えたのが安全で快適な環境をつくり、合宿を楽しむための余裕を作ることでした。

計画面では途中で何かあった際に対応しやすいように地の利を活かすことにしました。北アルプスは日本屈指の人気の山域であるため、小屋などの設備が充実している他、ルートのバリエーションも豊富にあります。その点を活かしてルートをあえて複雑にすることにより、計画に柔軟性をもたせました。結果として、天候やパーティーの様子を見ながら行動でき、軽装での行動が増えることになり、部員にかかる負担もかなり軽減できたと思います。他にも近年では全く行われていなかった危険地帯でのヘルメット着用など安全対策も徹底的に行いました。

もう一つ力を入れたのが食糧面の改善です。去年、一昨年の長期合宿ではアルファ米とフリーズドライに完全に依存したものでした。味は美味しくなく、高価であり、学生が国内での活動を行う上で何のメリットもないと感じておりました。現に他大で同じような食糧を使っている大学は聞いたことがありません。また、その高価さ故に部の会計にまで負担をかけているという現状を改善する必要があると強く思いました。そのため、食糧ではアルファ米とフリーズドライの全廃に挑戦しました。食糧計画の遠藤や1年生にも色々メニューを考えてもらい、多くのメニューを作り、長い合宿でも飽きが来ず、ご飯を一つの楽しみにできるようにすることができたということは非常に大きい成果だと思います。

結果としてパーティーのメンバーの半分が1年生、3分の1が女性というメンバーでも、トラブルもなく17日間に及ぶ長期の合宿で剱岳を含む百名山8座を制覇することができました。(近年で最も順調だった夏合宿だと思います)


夏合宿の他だと沢の活動の復活や自転車での活動など1年生を交えて幅広く活動できたと思います。

秋合宿の八ヶ岳は悪い意味で妥協した合宿でした。まぁ、あれだけの人数がいるとやれることって限られてきてしまいますが。

秋合宿で良かった点をあげるなら、冬合宿前に後輩のダメなところを露呈できたことと、一向に決まらなかった来年の活動に利用できたことでしょうか(笑)


3年生は優秀が故に苦労知らずで、活動に対する積極性は欠けるという感じ。最近は活動に対する積極性で上回る2年生に知識も経験も負け始めてる気がしなくもないですが、最上級生として頑張って欲しいところです。

長々と書きましたが、部にも自分の為にも一番良いのは
『自分がおもしろいと思うことにおもいっきり取り組むこと』だと思います。各自残りのワンゲル生活をおもいっきり楽しんでくれたらOBの一人として嬉しく思います。

1 件のコメント:

渡邉さんに一番迷惑かけた部員 さんのコメント...

3年半本当にお疲れ様でした。月並みですが、渡邉さんが活動を通じて考えたことや変えたことをしっかりと引き継ぎ、活動をより良い物にしていきたいと思います。本音を言うとまだ引退してほしくないですが、これ以上大学に居たら大変なことになっちゃうのでそこは耐えますね(´・ω・`)